あいずみ 松本眼科
徳島県板野郡藍住町の眼科
農耕地だったこの町は急速に開発され、外観の差異により主張し合い無秩序に商業ゾーン化が進む。
この様な地域であるからこそ建物を単純な構成とし、更に医院らしくなさを意識し、落ち着き・奥ゆかしさ・おしとやかで主張し過ぎないデザインを施し、周辺の賑わいとは異なる空気感の創出を試みた。
上記コンセプトとこの地域の産業であった藍染の手仕事及び眼科というエッセンスから光や光の屈折をキーワードとたプランニング・デザイン及び素材選定を行っている。
建物を印象付ける重量感あるシームレスな二階外装の一部の折り曲げた外壁は、光（太陽）の進入角度と見る位置によりファサードの陰影は、見る人と見る時間により変化し、眼科である眼を意識し表現している。
また外装の素材をファッションを楽しむ様に、アプローチや内装壁の一部に使用し、その手仕事の塗壁は統一感と来館者に柔らかさと安心感を与えている。
建物内各所に於いても、不均一な手仕事であることの良さを、タイル、塗壁、建具、家具で表現し、光に拠る表情の変化、また手仕事感覚は硬い印象になりがちな工業製品との緩和剤としての役割、来院者への優しさへ配慮している。
DATA
鉄骨造 2階建
延べ床面積：971㎡
敷地面積 : 2256㎡
施工 ： 株式会社 姫野組